スピグラとはどんなカメラ?
  写真のような大判カメラ、手持ち撮影ができ、たたむとコンパクトになる。米国グラフレックス社の"しのごカメラ"、正式名称は「スピード・グラフィック4x5」。
 "しのご"とは4x5インチのことでネガの大きさを表すカメラマン用語。その大きさは10x12cmもある。これは普通のLサイズ写真よりはるかに大きい。ネガがである。スピグラは大判カメラながら手持ち撮影ができるのが特徴で長い間「報道カメラ」として使われてきた。
  最初のモデルは1890年代に作られた由緒ある歴史的なカメラである。写真は第二次世界大戦後の新鋭モデル ペースメーカー・グラフィック。今のようなストロボが普及するまでは脇に大げさなバルブ(球)式フラッシュガンを付けて暗所撮影にも力を発揮していた。カメラ本体は大判用でも軽くて携帯性に優れている。もちろん今でも立派に写真が撮れる。フィルムは種々のネガカラー、リバーサルのほかポラロイド(インスタントフィルム)も使え、今でも簡単に買うことができる。バックが着脱可能なのでシートフィルム、ポラバック、ロールフィルムホルダーなどを取り替えて使用することができる。
  ネガが大きいだけに粒状性の優れたシャープで諧調豊かなイメージが得られる。アメリカには中古も豊富でebayなら250ドルくらいで買える。
  撮影には少々テクニックが必要、そこが面白い。腕がいいほどいい写真が撮れる、これが写真の醍醐味だろう。大判カメラながらレンジファインダー(連動距離計)があり、さらにフォーカルプレーンシャッターが付いている。手持ち撮影を可能にし、どんなレンズでも取り付けて写真を撮ることができる。虫眼鏡をつけてもちゃんと写るから面白い。レンズを外して小さな穴のあいた板を取り付ければピンホールカメラにもなる。インスタントフィルムを使えばなお面白い。もちろん正式にはレンズシャッター付の付属高級レンズを使う。標準モデルにはエクター127mmF4.5テーサー型レンズが付いている。このレンズは35ミリ画角換算で35mmレンズに相当する。
  写真屋さんに持っていけば現像や引伸ばしもやってくれる。フィルム現像だけ頼んでスキャナーでPCに取り込めば廉価に大判ネガを楽しむことができる。大判フィルムの世界にはデジカメにはない別のイメージが待っている。
 姉妹機にペースメーカークラウン・グラフッックがある。スピード・グラフィックからフォーカプレーン・シャッターだけを省略したモデルでその他の仕様は全く同じ。その分重さが軽くなりカメラ本体の奥行きも薄くなっている。

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