オリンパスペンEED
初代オリンパスペンが誕生したのは1959年の秋である。Dズイコー28mm、F3,5の付いたこのカメラはレンズの深い深度によって目測式焦点調節でも十分シャープな画質が得られ、小型軽量のスナップカメラとしての十分な性能を持っていた。このカメラの誕生をきっかけにその後十数年間は各カメラメーカーを抱きこんだハーフザイズカメラの全盛期を迎えることになる。当時フィルムはまだ高価で2,3枚でも残っていれば次の撮影チャンスまでカメラから出さないなんてことも普通だった。フルサイズの倍のカット72枚が撮れフィルム代が半分ですむという利点もブームを助長した要因のひとつでもある。
数あるオリンパスペン・シリーズの中でも初代がもっとも軽くコンパクトで、以後明るいレンズ、露出計の組み込みなどで少しずつ重さと形状が増していった。フルサイズレンズシャッター機に比べれば、それでもまだコンパクトだったのである。1966年、有名な超コンパクトなフルサイズ35mmカメラ、ローライ35が出現し世間を驚かせたが、高価なこと、目測式カメラにおける焦点深度の違いはペンカメラにとって代わるには至らなかった。初代オリパスペンの発売から20年経った1979年の春に、あのオリンパスXA(フルサイズ)が誕生してオリンパスペンシリーズは終焉を迎えた。このオリンパスXAはオリンパスペンシリーズのどのモデルよりはるかに軽量コンパクトで、レンジファインダー、絞り優先AEなどを備えた高級機であった。ローライ35に比べれば半分以下の値段買えた点でも新しいコンパクトカメラ時代の幕開けを告げるものだった。
写真のオリンパスペンEEDは数多く発表されたペンシリーズーの中でも最も大きく重い、またデザインも最もオリンパスペンらしくないカメラである。当時のレンズシャッター機は各メーカーとも大口径レンズの開発にしのぎを削っていた。ペンカメラも例外ではなくペンDやこのEEDも当時最も明るいF1.7レンズを備えていた。EEDはCDSによるプログラムAEも組み込まれ歴代ペンシリーズの中では最もハイスペックのひとつだろう。
デザイン
一般に35ミリカメラは前から見てボディの中央かやや右にレンズが配置されている。バルナック型ライカやオリンパスペンFはその最たるものだろう。このオリンパスペンEEDはレンズがボディ中央よりかなり左に寄っている。多分メカ式のセルフタイマーを組み込んだせいだろう。後年のオリンパスペンラピッドEEDにも同様のセルフタイマーがあり、レンズは「左寄り」である。ちなみにその他のオリンパスペンは「中央」かやや「右寄り」である。今まで多くのカメラを見てきて無意識のうちにレンズは「右寄り」が頭にインプットされている。このEEDのデザインが妙に落ち着かないのはこの「左寄り」せいだろう。「左寄り」は他に例がないわけでもないが非常に珍しい。(27 Sept 2004)
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