パテントエチュイ

畳むとシガレットケースと間違える


camera photo  1930〜1938年にドイツで作られた超小型フォールディング・プレートカメラである。メーカーはドレスデンのカメラ・ベルクシュテーテン(KW)社。サイズは 6.5x9cm大名刺判のほか4.5x6cm判や大型の9x12cm判もあった。ドイツ語でエチュイは「小箱」とか「ケース」の意味、その名の通り薄いケース型のカメラで折り畳んだ姿は厚手のシガレットケースと見間違える程である。カメラ内部の刻印は確かに「カメラ・ベルクシュテーテン、ドレスデン」とある。D.R.PATENTという文字はあっても「ETUI」の文字はボディのどこにも見あたらない。もっとも「エチュイ」は小型ケースの意味だから「ケース」という刻印がカメラにあったらおかしなものかも知れない。

 レンズにはテッサーのほかラジオナー、クセナーやトリナーなどのバリエーションがある。張り革の色は黒のほか赤、青、茶や緑のカラーモデルもあったようだ(写真のモデルは緑)。ベッドの裏には製造番号と思われる刻印も見える(41318)。見た目は華奢でも造りは堅牢である。世界最小の大名刺判カメラといっても過言ではない。おしれなカメラである。

camera photo



 重さはテッサー105mmF4.5ニューコンパー付きで515g(ピントグラス付き)。

 ファインダーはおなじみの反射型とフレームファインダーが付いているが、カメラのホールドが悪いので見やすいとはいえない。反射型ファインダーは横に90度回転し、縦横両位置のフレーミングを可能にしている。このファインダーには小さな水準器まで付いている。三脚を使ってピントグラスで焦点を合わせてから撮影するのがこのカメラの正当な使い方だろう。こんなに小さなカメラでありながら蛇腹は最大18cmまで伸び、レンズの先端から20cmくらいまでの接写が可能である。ピントの繰り出しはラックアンドピニオン式で、ノブを内側に押すとロックされる。上下(15mm/5mm)のシフトができる。大きさは畳んだ姿で9x12x3.5cmと信じられないくらい小さい。

 
ローレックスパテントというロールフィルムホルダーを取り付けると今でも120フィルムが使えて6x9判(8枚撮り)の撮影が楽しめる。このホルダーは大名刺用(6.5x9cm)のプレートフィルムカメラに取り付けてロールフィルムの撮影ができる便利なものである。


パテントエチュイの主な仕様
メーカーK.W.(Kamera Werksta:tten) Germany
形 式折畳式プレートカメラ
サイズ6.5x9cm(大名刺)
ロールホルダーで 6x9cm 8枚撮り
レンズCarl Zeiss Tessar 10.5cm F4.5 No coating
シャッターCompur T,B 1 - 1/250sec Self timer
ファインダー反射式(縦横切換可、水準器付き)と
フレームファインダー
ピント合わせ目測(距離ガイド)またはピントグラス
蛇腹の最伸長約18cm
最短撮影距離目測 1メートル
ピントグラスを使うと38cmまで可(被写体とフィルム位置)
アオリライズ15mm/フォール5mm
大きさ・重さ9x12x3.5cm /515g
そのた水準器



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