1931年、ドイツのツェルト社製のスプリングカメラ。ツェルト社は1925年頃から120フィルムを使う6x9cmカメラをいろいろ作っていた。それらの多くは自動起立型ではなく、いわゆるホールディング・ベッドカメラと呼ばれる方式だった。このツェルトティックスは、この頃ようやく出始めたスプリング起立式のはしりのカメラで、ボタンを押してベッドを開くと撮影状態に組み上がる、いわゆるスプリングカメラである。6x9cm折り畳み式のカメラの中では最も軽量カメラのひとつ、420グラムしかない。
ファインダーはこの頃の定番の反射式に加えて、起立式の透視ファインダーを備えている。
レンズは有名なメイヤーゲルツのトリオプラン、焦点距離は10.5cm、明るさはF6.3。焦点合わせは目測で前玉回転式、最短撮影距離目盛りは2メートルであるが、もっとレンズを繰り出すと1.2メートルくらいまで寄れる。絞りの目盛りもF22までだがもっと絞ればF32くらいにはなりそうだ。
シャッターはバリオ(VARIO)で、エバーレディー式の簡単なものだが今でもかなり正確に動作する。最高速度は1/100秒、セルフタイマーは付いていない。
レンズの下にレリーズ受けの穴があるが、これはシャッターレリーズ用ではなく短いレリーズを格納するためのものだ。レリーズを格納したまゝレンズベッドを畳むことができる。
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